ちょっと待った!語彙力強化で得られる安心感と落とし穴

ちょっと待った!語彙力強化で得られる安心感と落とし穴

ブログ「DIY English」の制作者「大葉かむ」です。

英語学習者は語彙力の重要性を十二分に理解していることでしょう。英語を理解するためには、最低限英単語の意味を知っておく必要があります。これについて、異議を唱える人は、まずいないと思います。

しかし、語彙力強化(ボキャビル)については、通常の単語帳を使った方法に対して、異議を唱える人が出てくる可能性はあるでしょう。例えば多読などで分からない単語は、前後から類推することで読み解き、それを繰り返すことで語彙力を高めていくというな別の手法を提唱するケースです。

しかし、この手法についても十分な英語能力と語彙力があってのものだと思います。この類推を推奨する人たちは、2万語以上の語彙力をすでに持っている人たちです。日本でいうと高校生が小説を読みながら、新しい語彙を増やしていくようなもので、これは別におかしなことではないでしょう。

しかし、日本人の英語の語彙力平均というと小学生の高学年にも手が届かない程度であるのが実情です。つまり、高校生が小学生に対して、小説を読みながら語彙力を増やしなさいといっているようなものです。これは無理な話であることは想像がつくでしょう。そうです。一般の日本人は、類推するだけの基本的な語彙力すら持ち合わせていないということなのです。

また、英語学習において英英辞典を使用する方法についても同様な問題を抱えていることは容易に想像がつくでしょう。小学生に大人の辞書を渡して、これで意味を調べろといっているようなものなのですからこれは非常に酷な話です。やはり、先生や親が手取り足取り言葉の意味を教えるか、小学生用の簡単な辞書を渡すべきでしょう。

では、語彙力さえあれば英文は理解できるのでしょうか?そんなはずはありません。私たちがネイティブでない以上は、やはり英文法の知識が必須ではないでしょうか?

稀に、中学英語は単語さえ覚えていれば何とかなるという人がいます。果たして、それは事実なのでしょうか?そこで、今回は英語におけるボキャビルの必要性とそこに潜む落とし穴について話したいと思います。このことを十分に理解することで、私のように英語学習に役立ててください。

テーマは2つです。
中学英語が持つ第1の罠
高校英語が持つ第2の罠

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1. 中学英語が持つ第1の罠

Junior High School English Trap

中学英語では、まず英単語が重視されます。これはしかたがないことです。最低限の動詞、名詞の意味が分からなければ、英文法の説明に足を踏み入れることができないからです。

中学英語を学習する上で、語彙力と英文法というものは密接な関係があります。語彙力がなければ、英文法書を紐解くことができません。かといって、英文法、特に品詞、5文型の知識がなければ、ボキャビルにおいて意味の仕分けや用法の仕分けができないため、非効率に成らざるを得ないのです。

そして、中学英語の学習当初は英文が短く、熟語などもほとんど出ないため、英単語の意味さえ分かれば何となくですが意味を捉えることができてしまいます

そのため、中学英語は英単語を覚える科目という位置付けをしてしまう人が数多くいるのです。つまり、「英単語の意味が分からないと英語はまったく歯が立たない」から、「英単語の意味が分かると英文は簡単に理解できる」というよくありがちな勘違いが生まれるというわけです。

しかし、これは必要十分条件を満たしていません。「英単語の意味が分からないから⇒英文の意味が分からない」は正しいですが、「英文の意味が分からない」理由には、英文法や熟語、スラングなど、語彙力以外にもいろいろな要因があるのです。

ここで中学英語について問題になる点は、今しがた「英文の意味が分からない⇒英単語の意味が分からないから」という構図には、他にも要因があるため成り立たないといいましたが、その語彙力以外の要因が極めて弱いことが上げられます。つまり、中学英語では語彙力が重視され、英文法も基礎的な部分が大半を占めるということです。

そして、日本語を理解している私たちは経験などを駆使して、単語の意味さえ分かれば文法自体を類推できてしまうのです。その結果、単語の意味さえ分かれば、完全とまではいかないまでも、おおよその意味を捉えることができてしまうのです。さらに、長文にいたっては前後の文からさらに類推の精度を向上させてしまうという特性があるわけです。これが中学英語に潜んでいる第1の罠なのです。

そしてその結果、中学英語は単語さえ分かれば何とかなるという錯覚を引き起こすのです。錯覚といっている理由は、定期テストであればある程度の点は取れてしまうけれども、それ以上の試験になると対応できないためです。

そして、単語の暗記すら嫌がる人がたくさんいるため、語彙力がありそこそこ英文が読め、点数を取れた人は英語が得意(少なくとも苦手ではない)というイメージを持って、卒業してしまうのです。これが罠にかかった人の末路です。

もちろん、上位の人たちはしっかりと英文法を理解して卒業することでしょう。しかし、そのような人たちも安心することはできません。なぜなら、第2の罠が高校で待ち構えているからです。

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2. 高校英語が持つ第2の罠

High School English Trap

変な勘違いをすることなく(第1の罠)、中学英語を理解して高校へ進級したとしても、1つの大きな壁が立ち塞がります。

それは、やはり語彙力です。中学英単語を一生懸命に覚えたとしても、高校英語ではさらなる語威力が求められます

もちろん、中学英語をしっかりこなしてきた人にとっては、この壁も難なく乗り越えることができるでしょう。

しかし、これが先ほど書いた第2の罠ではありません。罠はその後ろに隠れているのです。

それが、高校英文法が中学英文法を基礎としていることが要因となります。つまり、中学英文法をしっかり理解している人にとって、ボキャビルが成功すると何となく高校英文法が理解できて簡単に思えてしまうということなのです。もちろん、ここで手を抜かない人もいます。むしろ、ここまで来れた人であれば、まず間違いなく手は抜かないでしょう。

しかし、この罠は2枚底、つまり2段階の罠になっているのです。ここまで、完璧にこなしてきた人は、過去の学習に絶対の自信を持っています。そのため、過去を振り返らないのです。

高校英文法を理解したことで、本人の英語に対する理解力は格段に向上しています。そのため、再度中学英語に立ち戻ることで、見落としていた数多くの知識を得ることができるのですが、これまでのまじめさが裏目に出て、その部分を見落としてしまうのです。

特に高校英語では、大学受験の試験問題や実用性を理由などから一気に口語が増える傾向があります。しかし、それらは中学英語で習った基本的な単語や前置詞などによって構成されています。つまり、中学英語がベースになっているわけですから、再度立ち戻ることは有効な手段であり、効率的なのです。

英語は学問である一方、言語です。使えば使うほど、上達するものです。その上、中学英語(中学英単語)は英文の大半を占めています。つまり、頻出度が高い上に多くの重要語句を占めていることを意味するわけですから、そのことを十二分に理解した上で、定期的に立ち戻って知識を深めていくことが重要なのです。

ボキャビルは、英語学習を進めていく上で、重要なポジションであることは間違いありませんし、中学英語にしても高校英語にしても、取っ掛かりとしてボキャビルをすることは有効です。また、語彙力だけでは英文は読めないことを理解するとともに、ボキャビルは一度覚えて終わりでないことを理解することも重要なのです。

みなさんも、「何度も何度も中学英語に立ち戻り、使い古して英語を自分のものにする必要がある」ということを心の片隅に置いて、英語学習に取り組んで下さい。