英語学習におけるブレイクスルーは1000時間?

英語学習におけるブレイクスルーは1000時間?

ブログ「DIY English」の制作者「大葉かむ」です。

スポーツにおいても学問においても、何時間努力すればものにできるかという疑問は尽きることがないテーマです。よく上げられる節目の時間としては、100時間、1000時間、2000時間、10000時間といった切りのよい数字が上げられます。

しかし、これらの時間について、根拠や証拠は思ったほど多くなく、成功者が口々にしている数字である場合が多いのが現状です。

英語学習では、この時間に加えてブレクスルーが起こる時間として、1000時間に1回という指標が掲げられています。

しかし、この根拠もやはり存在することがなく、毎日3時間の英語学習を行っている学習者たちの体験談として、年に1回程度訪れる現象のため、その指標が定められている傾向にあります。

ただ、先に示した時間と違い、英語学習においてブレイクスルーが起こるという現象自体は事実です。ここで疑問になる点としては、
1000時間に1度はブレイクスルーが必ず起こるのか?
1000時間よりも短い時間でブレイクスルーを起こすことができないのか?
という2つが思い浮かぶことでしょう。

そもそもブレイクスルーという言葉自体が、目の前に立ちはだかる壁を破壊し、大きな進歩を実感するという曖昧な定義となっています。

つまり、ブレイクスルーが起こったと判断する基準は個人の裁量によるところが大きく、客観的に見たり、他者から見てブレイクスルーが起こったか判断することは極めて困難なことなのです。

また、3年以内にこの1000時間の学習を達成しなければ、それまでの学習時間はリセットされ、ブレイクスルーは発生しないとも言われています。

そこで今回は、時間に関する根拠とブレイクスルーについて考えたいと思います。そして、このことを理解した上で1000時間の英語学習を達成し、ブレイクスルーを体験しましょう。

テーマは2つです。
英語学習における時間に根拠はあるのか?
ブレイクスルーを起こすためには?

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1. 英語学習における時間に根拠はあるのか?

Is There A Basis For Time

ブレイクスルーについて考える前に、英語学習における
100時間
1000時間
2000時間
10000時間
という4つの学習時間について考えたいと思います。

100時間
脱初心者、つまり初心者を抜けるために有する学習時間が100時間だと言われています。部活でいうところの入部してから、2、3ヶ月が経過した頃といったところです。そう考えるとまだまだ初心者に思えます。

そもそも初心者の定義が曖昧である点が問題です。例えば、スポーツであればその基本フォーム、基本ルールを覚えた時点で初心者を脱したともいえますし、試合にでれる程度の技術が付いた時点で脱初心者、1勝すれば脱初心者など、人の見方によって違いが生じます。

そこで、100時間でどの程度の英語が学習できるかを考えることにします。1つの指標があります。それが、学校教育です。中学1年生の年間平均学習時間は106.4時間です。

つまり、100時間の英語学習を終えた時点で中学1年生程度の知識があることになります。これを脱初心者というのであれば、100時間は正しいといえるでしょう。

しかしCEFRにおいて、初心者とはA2まで、つまり中学3年生までの学習内容とされています。そう考えると、最低でも中学生3年間の平均学習時間である317時間が必要となります。

1000時間
1000時間の根拠を見つけることは非常に難しいと感じます。中級者レベルという指標ですが、この時点で「脱初心者=中級者」という公式が崩壊しています。恐らく、それなりに英語が使いこなせるという指標を意味しているかと思われますが、こちらも何も持って使いこなせるとするかが難しいところです。

ただ、先ほどと同様に学校教育で考えた場合、英語に関連しない一般的なコースの高校を卒業すると中学校入学から高校卒業までの6年間で751.1時間以上の英語学習をすることになります。

つまり、英文法の知識を一通り理解しているという点においては、1000時間という指標は的を得ているかもしれません。また、ブレイクスルーの1000時間と関連性を持たせている人も数多くいます。

2000時間
こちらは、1000時間か2000時間かという話で出てくる指標となり、1000時間と同様に中級者レベルを表しています

これに関しては、切りがよい数字ではないことからも分かるようにある程度の根拠が存在します。まず、みなさんの経験からも2000時間あれば、ある程度の知識や技術をものにできるということは予測できるかと思います。

例えば、部活動は年間1000時間程度の活動が行われています。2000時間という時間は、中学時代に過した部活動の時間と思っても問題ないでしょう。そして、みなさんが高校に入学した後、中学時代に運動部に所属していた人を経験者と呼ぶことを考えると彼らが初心者ではないことは明らかでしょう。

また、ネイティブが日本語を習得するためには、2,200時間が必要であるというデータが出ており、同様に日本人が英語を習得するために2,200時間が必要であると考えると2000時間という指標は妥当といえます。

このことから、2000時間は1000時間という指標より信憑性が高いといえるでしょう。

10000時間
こちらは、プロの通訳者の人たちが掲げている時間で、プロとして通用するまでに有する学習時間、もしくは字幕なしで映画が見れるようになるまでに必要とされる時間と言われています。これは英語に限らず、プロの運動選手たちも提唱しています。

朝も昼も問わず、長期休みも部活動に取り組むと中学高校の6年間で10000時間という数字が達成できることからも妥当な数字といえます。また、音楽においても10000時間という練習時間は、プロを輩出するまでに有する時間とほぼほぼ一致します。

この10000時間は、根拠のない数字ですが、成功者(経験者)が掲げている時間であるため、他の時間に比べて信憑性は高いと思います。

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2. ブレイクスルーを起こすためには?

How To Make A Breakthrough

ブレイクスルーは1000時間で起こりえるのか?これが英語学習を行っている人にとっては一番の疑問かと思います。

そもそも、ブレイクスルーという体験自体がその瞬間分かるとは限りません。後になってからあのときがブレイクスルーだったと気付く人も数多くいます。

稀に、急に音がクリアーになって、英語が聞き取れるようになったという人がいます。そして、これがブレイクスルーだという人もいます。しかしそれに反して、急に聞き取れるようになることはなく、少しずつ聞き取れる音が増えていくという人もいます。

この2者は、恐らくどちらもウソをいっていないと思われます。何をもってクリアーという表現を使っているか違うからです。急に聞き取れるという人は初心者に多く、少しずつ聞き取れるようになるという人にはプロ(通訳者)が多いという傾向があります。

この2者には明らかな違いがあります。前者は、話している内容がおおよそ分かればよい立場であり、後者は一語一句間違えることが許されない立場です。

このように、立場が変われば指標も変わるもので、その中でブレイクスルーが1000時間で起こるかという考察自体が無謀にも思えるかもしれませんが、ブレイクスルーの体験談を調べていると大きな共通点があります。それが、ギャップです。

ブレイクスルー自体が、目の前に立ちはだかる壁を破壊し、大きな進歩を実感するというものである以上、壁が存在しなければ体験できないものとなっています。

つまり、英語学習でいうところの停滞期です。いくら英語学習してもTOEICの点数が伸びないといった長時間の停滞期を経て、その後、急激にスコアーが伸びるといった経験を数多くの方がされています。

しかし、ここで見落としがちなことが、この伸び悩みで挫折する人はさらに多いということです。ブレイクスルーは大きな進歩であると同時に、成功者の証なのです。

では、成功者と挫折者の違いは何かということ、これにも大きな共通点があり、壁にぶちあった後に地味な英語学習が継続できたかどうかという点が上げられます。

ブレイクスルーを体験するためには、壁とその後に基礎知識を底上げする地味な英語学習の2つの要素が必要不可欠なのです。しかし、挫折者は楽な道を模索して、簡単にスコアーが上がるという怪しい学習法や教材に手を出します。そして結局、スコアーが改善されることはなく、挫折するのです。

1000時間という学習時間は、毎日3時間の英語学習で約1年間を必要とします。これは、努力時間としては十分な期間であり、英語学習が継続できるかを試すふるいの役割も担っています。

つまり、停滞期において1年間という長い期間、英語学習を継続できれば、当然飛躍的な成果が得られることは火を見るより明らかであり、その可能性が低い英語学習者については1年という長い時間によって、仕分けされる仕組みとなっているわけです。そのため、ブレイクスルーの成功談がネットに飛び交うこととなります。

ブレイクスルーは誰にでも起こりえる現象ではありません。
自分の現状を把握する認識力
地味な英語学習を継続する忍耐力
自分に足りないものを正確に把握する洞察力
の3つの能力を持った人だけが1000時間に1度、体験できるものと考えるとよいでしょう。逆に1000時間学習しても、その現象が現れない人はこの3つのどれか、特に洞察力が足りないと思われます。また、1000時間より短い時間で体験することができた人は、この3つの能力が優れており、今後も自信を持って英語学習を継続するとよいと思います。