英文法:冠詞の種類と比較

英文法:冠詞の種類と比較

ここでは、冠詞の種類と用法について説明します。英語の冠詞は、日本語には存在しない品詞のため、日本人になじみがありません。

そのため、イメージを持って感覚的に理解する必要があります。冠詞を使いこなすためには、とにかく多くの英文に触れることが重要となりますが、ここではその前段階として、冠詞の種類とともに、その仕分け方法を理解してもらいます。

・冠詞は日本語にはない。
・冠詞を身に付けるためには、たくさんの英語に触れる必要がある。
・冠詞を理解するためには種類と用法を学ぶ必要がある。


1. 冠詞の種類

1.1 概要

・冠詞にはどのような種類があるのか?


不定冠詞(Indefinite article):
・”a”または”an”。
・数えられる名詞(可算名詞)の単数形に使える。
・複数形や数えられない名詞(不可算名詞)には使えない。

定冠詞(Definite article):
・”the”。
・単数形、複数形、数えられない名詞(不可算名詞)のいずれにも使える。

無冠詞(Zero article):
・冠詞なし。
・”a”または”an”が使えないときに使える。

1.2 解説

冠詞は、“不定冠詞”と”定冠詞”と”無冠詞”の3つがあります。これら3つを使い分けるためには、次のようにそれぞれを比較する必要があります。

各冠詞の比較
・不定冠詞と無冠詞
・不定冠詞と定冠詞
・定冠詞と無冠詞

・冠詞は、”不定冠詞”と”定冠詞”と”無冠詞”の3つがある。

・”不定冠詞”と”定冠詞”と”無冠詞”は、それぞれ比較して理解する必要がある。


ここで注意すべき点として、次のような単純な仕分けをしないことです。

・可算名詞の単数形は、”a”、”an”、”the”のいずれかを使う。
・可算名詞の複数形は、複数形で何もつけない。
・不可算名詞の複数形は、何もつけない。


英語学習初心者は、このように理解している人が多いですが、これは明らかに間違っています。それぞれの違いをただしく理解し、間違えずに覚えて下さい。

・間違った覚え方をしない。

2. 冠詞の発音

2.1 概要

・冠詞の発音は難しい?


“a” / “an”:
・”a”は子音で始まる語に使い、”ə;”と発音する。
・”an”は母音で始まる語に使い、”ən”と発音する。

“the”:
・子音、半母音で始まる語のときは、”ðə”と発音する。
・母音で始まる語のときは、”ði”と発音する。

2.2 概要

“a”と”an”の使い分けは、子音か母音の違いによって使い分けます。ここで注意すべき点は、つづりに騙されないということです。具体的には次の3つの場合です。

①つづりが子音字だが、発音は母音である。
②”y”、”w”は半母音であり、母音ではない。
③つづりが母音字だが、発音は子音である。


①の例として、”an hour”があります。一見すると頭文字が”h”であるため、子音で始まっているように思えますが、”hour”の発音は”aʊɚ”であるため、母音となり”an”を用います。

②の例としては、”a year”や” a word”があります。特に”year”はカタカナ読みをして、”イヤー”になるため、”an”をつける人がいますが、”year”の発音は”jiɚ”であるため、半母音にあたり”a”を使います。”word”も発音は”wɚːd”となり半母音です。

③の例としては、”a university”があります。こちらも、一見すると頭文字が”u”のため、”an”を使いそうになりますが、”university”の発音は”juːnəvɚːsəṭi”のため、”a”を使用します。

・名詞の頭文字が子音か母音かによって、”a”と”an”の使い分けを行なう。
・名詞の頭文字が子音字か母音字かは、”a”と”an”の使い分けに影響されない。

・つづりの見た目に騙されてはいけない。


ここで、”an”の発音ついて注意が必要です。”an”の末尾が”n”で子音、次にくる名詞の頭文字は母音であるため、リンキング(日本ではリエゾン)という現象が起こり、”an”で一度切るのではなく、次の名詞まで繋げて読み上げる必要があります。この点を注意して、音読の際は練習してください。

・”an”を使用するときは、必ずリンキングが起こる。


次に、”the”についてですが、こちらも同様に名詞の頭文字が子音か母音によって発音を使い分けます。注意点は”a”と”an”の使い分けと同じで、子音字や母音字に騙されないことです。

・名詞の頭文字が子音か母音かによって、”the”の発音を使い分ける。
・名詞の頭文字が子音字か母音字かは、”the”の発音の使い分けに影響をあたえない。


最後に発音に対して注意事項があります。通常であれば、”a”、”an”、”the”は英文において、文脈の上で重要度が低いです。そのため”a”、”an”、”the”は、上で説明したとおり、それぞれ”ə;”、”ən”、”ðə /ði”と発音します。これを弱形といいます。しかし、ときにこれら3つを強調したい場合があります。その場合は強形と呼ばれる発音が使用され、それぞれ”eɪ”、”æn”、”ðíː”に変化するため、注意してください。

・”a”、”an”、”the”が強形のときは、”eɪ”、”æn”、”ðíː”に発音が変わる。

3. 冠詞の比較

3.1 不定冠詞と無冠詞

3.1.1 概要

・”不定冠詞”と”無冠詞”の対比はどうなっているのか?


不定冠詞:
・可算名詞が単数形

無冠詞:
・可算名詞が複数形

3.1.2 解説

“不定冠詞”と”無冠詞”の対比は、可算名詞(数えられる名詞)における“単数形”か”複数形”に該当します。

①There is a child in the park.
 公園に子供がいます。
②There are children in the park.
 公園に子供たちがいます。


不定冠詞を使う場合は、名詞が具体的な1つのものを表す場合となります(例文①)。名詞が複数のものを表す場合は、無冠詞を使います(例文②)。もちろん、複数の場合は名詞は複数形になります。

・名詞が”単数形”か”複数形”によって、”不定冠詞”と”無冠詞”を使い分ける。


また、名詞が”単数形”であったとしても、“働き”に焦点が当たる場合は”無冠詞”となります。

③I go to school by bus.
 私はバスで学校に通います。


③の例文では、”school”も”bus”も”無冠詞”です。”school”は1つの具体的な”学校”を指しているわけではなく、“学校”が勉強をするための働きをすることに焦点が当たるため、”無冠詞”となります。”bus”についても同様に1つの具体的な”バス”を指すわけではなく、交通手段(働き)に焦点が当たるために”無冠詞”となります。

・名詞が”単数形”であったとしても、”働き”に焦点が当たる場合は”無冠詞”となる。

3.2 不定冠詞と定冠詞

3.2.1 概要

・”不定冠詞”と”定冠詞”の対比はどうなっているのか?


不定冠詞:
・聞き手が何を指している名詞か明確にわからない。

定冠詞:
・聞き手が何を指している名詞か明確にわかる。

3.2.2 解説

可算名詞は、”定冠詞”を使う場合がある。これは、聞き手が何を指している名詞か明確にわかる場合で、話し手と聞き手が共通する名詞を想像できることを意味します。

①Yesterday, a child was injured in the park.
 昨日、子供が公園で怪我をした。
②Yesterday, the child you gave the toy got hurt in the park.
 昨日、あなたがおもちゃをあげた子供が公園で怪我をした。


①の例文では、話し手は怪我をした子供を知っていますが、聞き手はどの子供のことを言っているかわかりません。そのため、”a child”となります。

②の例文では、聞き手が昨日おもちゃを上げた子供と具体的に説明しているため、聞き手はどの子供のことを言っているかわかります。そのため、子供が特定できることから”the child”となります。また、聞き手がおもちゃをあげたわけですから、何のおもちゃをあげたかも聞き手は分かっているため”the toy”となります。

②のように1つの文章の中に名詞を特定できる情報がある必要はありません。会話の中ですでに特定されていれば、”定冠詞”を使うことができます。例えば②の文を次のように2つに分けたとしても”定冠詞”が使えます。

③You gave a child a toy yesterday, didn’t you?
 昨日、子供におもちゃをあげましたね。
④The child was later injured in the park.
 その子供は、その後公園で怪我をしました。

・話し手と聞き手が共通する名詞を想像できる場合は”定冠詞”を使う。
・話の中で特定される場合も”定冠詞”を使う。

3.3 定冠詞と無冠詞

3.3.1 概要

・”定冠詞”と”無冠詞”の対比はどうなっているのか?


定冠詞:
・はっきりと他のものと区別する境界線がある。

無冠詞:
・漠然としたものを指しており、はっきりとした境界線がない。

3.3.2 解説

不可算名詞は、基本的には”無冠詞”として扱いますが、はっきりとした境界線が存在する場合は、特定した1つのものと捉えることができるため、”定冠詞”を用います。

①Nature must be valued.
 自然は大切にしなければならない。
②The nature around here is beautiful.
 このあたりの自然は綺麗です。


例文①は、漠然とした”自然”全体を指しているため特定できません。そのため、”無冠詞”となります。これに対して②の例文では、”このあたり”という具体的な範囲を明示しているため、境界線によって特定した1つの”自然”を取り出すことができます。よって、②では”定冠詞”が使われます。

・不可算名詞であっても、境界線によって切り出すことができるものは”定冠詞”を使う。