瞬間英作文、簡単に取り組めることが大きな落とし穴

瞬間英作文、簡単に取り組めることが大きな落とし穴

ブログ「DIY English」の制作者「大葉かむ」です。

みなさんは、瞬間英作文というものをご存知でしょうか?最近では、かなりメジャーになった英語の学習法です。

この学習法は、日本語の文章を見て、瞬時に英作文を完成させて口に出すというものです。出発力を養うだけでなく、正しい英文法を一瞬でアウトプットすることも重要であるため、語学留学や海外留学(正規留学)の前に行うと効果的といわれています。

しかしその反面、挫折する人も数多くいるのが現状です。その最もな原因が、「受験英語と英会話は別物」と思っている人が数多くいるからです。

これは、決して間違った考えではありません。受験英語はできるが英会話ができないという人にとっては、このような考え方を持つことは有効です。なぜなら受験英語は、リーディングやライティングに重点が置かれており、英会話に必要なスピーキングがおろそかになっているからです。そこで、瞬間英作文などの学習法を使って、スピーキングを強化するわけです。

しかし、英語ができない人に限って、「受験英語と英会話は別物」という言葉を別の都合のよい意味で解釈しようとします。それが「受験英語ができなくても英会話はできる」というものです。これは、完全に間違った考え方です。

私たち日本人は、英語のノンネイティブである以上、リーディング(語彙力、英文法)が英語の基本として根底に位置します。そのため、この基礎体力がなければ何をやっても成果は出ません。しかし、この基礎部分は地味で努力を必要とするため、英語が苦手な人は何かと理由をつけて回避しようとするわけです。

この人たちは、英語の基礎がないわけですから、もちろん瞬間英作文に耐えられるわけもなく、挫折してしまいます。瞬間英作文は、決して英語がしゃべれるようになるための近道を用意してくれているわけではありません。努力してきた人(英語の基礎力をつけてきた人)が、最短ルートでしゃべれるようになる(実践力をつける)ための学習法であり、さらに人一倍の努力を必要とするものです。みなさんも瞬間英作文に対する正しい知識を持って、英語学習を成功へと導きましょう。

今回は、瞬間英作文をするにあたって、注意すべき点と工夫すべき点を説明したいと思います。
瞬間英作文の成功のカギは前準備
瞬間英作文は数より質が重要

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1. 瞬間英作文の成功のカギは前準備

The Key To Success Is Preparation

瞬間英作文は、日本語の文章を見て、瞬時に英作文を完成させるわけですが、このときの集中力はとても高いものとなっています。もちろん、訓練を続け慣れてくれば、自然と言葉を発するようになるため、簡単な英作文では集中力は落ちるかもしれません。

では、なぜ集中力が高まるのかということですが、受験英語の英訳と違い、「瞬間的」に英作文をしなければならないという点が上げられます。

瞬間的に文章を作り出すということは、一語一語を日本語から英単語に直していては間に合いませんし、返し読みのような形で翻訳する時間も持ち合わせていません。英語を左から右に流れるように作る必要があるわけです。返し読みは日本の英語教育が生み出した最も悪しき伝統です。この手法を繰り返しているようでは、一生英語を流暢に話すことはできないでしょう。

なぜなら、
脳への負担が大きすぎる
タイムラグが発生する
からです。

脳への負担が大きすぎる
私たちが普段、日本語を話すときは、思った感情やイメージを瞬間的に無意識に口に出すことができるはずです。しかし実際、日本語に限っては違います。もし、この方法を用いてしゃべった場合、取り返しが付かないことが起こるからです。

これは、日本の文化によるものです。日本人は、他人の発言の上げ足取りを取ることがたいへん得意です。そのため、日本人は間違った発言をしないために、一度頭の中で完璧な文章を構成します。そして、じっくり考えた上で発言しています。

しかし、発言する際は、瞬時に発言できるはずです。

この日本的文化を英語にも適用してしまうのが日本人です。つまり、頭の中で完璧な英語の文章を構成しようとするのです。

これが日本語であれば、長年の経験を経ているので問題なく、瞬時に文章構成を行うことができますが、英語では日本語を英語に翻訳したり、英文法を考えたり、再度返し読みをしたりととにかく忙しい動きをします。そのため、脳への負担が尋常ではありません。

英語は、むしろ思ったことを数珠繋ぎで、どんどん出していくものです。ましてやノンネイティブである日本人が完璧な英語など作れるはずがないのですから、頭に思った瞬間からどんどん吐き出す方がメリットが大きいのです。また、そうしなければ、タイムラグが発生してしまいます。

タイムラグが発生する
タイムラグが発生する原因は分かったと思います。そして、タイムラグが発生すると大きなデメリットが発生します。

それは、リスニングです。ここでは、スピーキングについての話をしていますが、問題はリスニングにあるのです。なぜなら、返し読みを続ける日本人は、相手の会話が聞こえたとしても、その文章を頭に一度保管した後、翻訳作業に取り掛かるからです。そうすると反応が遅れたり、長い文章では内容の一部をロストしてしまいます

もし、リスニングをリアルタイムで理解することができれば、スピーキングがどんなに遅くても問題になりません

スピーキングは、あなたの持ち時間であり、ゆっくりな速度やつたない英語であったとしても相手は辛抱強く聞いてくれます。ましてや、あなたは日本人なのですからネイティブも英語を流暢に話せないことは理解しているはずです。そして、スピーキングは使えば使うほど上達するわけですから、いずれは流暢に話すことも可能になるでしょう。

しかし、そもそもの問題として、リスニングについていけなければ、会話の内容も分からないまま聞く一方になってしまいます。会話のグループに入れてもらえている間はまだいいですが、このような発言をしない状況が続けば、いずれその仲間からもはずされてしまうでしょう。

瞬間英作文を行う上で必要なことは、
中学英文法を完全に理解している
返し読みをしない
ことです。

中学英文法の理解は、英語学習を継続させていれば達成できます。そんな中、長年続けてきた返し読みだけはどうしても直らないという人がいます。しかし、そのようなことは決してありません。基本的には、常に返し読みをしないという意志を持てばよいだけなのです。

常に返し読みをしないという意志を持っていても、無意識に返し読みをしてしまうという人もいるかもしれません。これは、かなりの重症です。そこで、意志を具現化する具体的な対策法を2つ提案しておきます。

1つが英訳で行き詰ったら、文章の最初に戻り、分かるまで何度も何度も英文全体を読むという方法です。返し読みの癖が付いている大きな原因の1つが、「英訳に詰まると少し前に戻る」と「分からないところだけを何度も読む」という行動を取ることが上げられます。常に1文全体を意識し続け読むことで、返し読みを克服しやすい状況に持ち込めます。

そしてもう1つが多読です。多読は、ストーリー全体の内容を捉えることに重点が置かれます。そのため、ちょっとやそっとの分からない部分が出てきても、どんどん読み飛ばしてストーリーを楽しもうとするため、そもそも返し読み自体を必要としません。そのため、返し読みを克服する手助けとなります。

ただし、多読ばかりを行って、英語の基礎力をつけないままでいると全て類推で英文を読むこととなるため、間違った解釈が生まれやすくなります。多読を行う際は、語彙力強化、英文法強化、精読など、多読とは別に同時進行で行うように心掛けてください。

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2. 瞬間英作文は数より質が重要

Quality Is More Important Than Number

瞬間英作文は、効果的な勉強法ですが、ただ闇雲にやるだけでは成果を得ることは決してできません

特に注意すべき点は、英文法を常に意識するということです。瞬間英作文は、同じ文章を何度も読み上げるために、文章を暗記してしまう(暗唱してしまう)という問題点があります。そのことに気付かずに学習を続けると暗唱ですから応用力がまったく利かなくなり、他の文章になるととたんに詰まる上、瞬間英作文にかけた時間が無駄になります。

常に英文法を意識することで、応用力を高めるだけでなく、自分自身が理解できていない英文法を洗い出す作業としても活用することで、英文法力の強化にも役立てることができます。

また同時に、自分が発声した英文が流暢であるかを確認することで、文法だけでなく更なる効果を得ることができます。それが、音読と発音練習の2つです。

英語は、長い年月をかけて学習を行うものです。だからといって、ダラダラやることはたいへん効率が悪く、もったいないです。最初は学習であったとしても、みなさんは将来、英語を使って本来の目的(例えば映画鑑賞)を達成したいはずですから、瞬間英作文に対しても効率的に時間を有効活用することが重要です。

瞬間英作文という1つの学習法で、数多くの効果を同時に得られるように常に自分の問題点を意識して、効率の良い学習に取り組みましょう

最後に1つ重要なことを言っておきます。瞬間英作文は学習法が簡単で、すぐに英語が話せるようになるイメージを持っている方が多いですが、学習を始めるタイミングがたいへん重要です。かならず中学英文法と中学英単語を一通り終えた上で、返し読みを克服してから取り組みましょう。それが、挫折しないための最善策となります。